どうして、エプロンだったのか?

エプロン商会を始めて、今年で10年。

花の仕事をしていた自分が、どうして突然エプロンだったのか?

あらためて自分で振り返ってみた。


10年前、何故か花がまったく楽しくなくなってしまっていた。

もう花に飽きたのかなとか、自分の限界が見えてしまって、楽しくなくなったのかなとか、

ぼんやり考えていたある日、山形でオーガニックの薔薇を育てている坂元さんから、薔薇が届いた。


箱を開けると、長さがまちまちで、曲がりくねったお庭の薔薇が箱一杯に入っていた。

その時、私の頭に去来した思いは、「生けるの面倒くさいな〜」だった。

でも、せっかく送ってもらったのだからと、重い身体を動かして、花瓶にひと枝、投げ入れると、不意に涙が溢れた。


それからは、ひと枝、ひと枝いけるごとに、涙が後から後から止まらない。

なんて可愛いんだろう。

身体の奥から、感動と喜びが湧き上がってきた。自分で、自分の反応にびっくりした。



花が楽しくなくなっていた原因は、飽きたからでも、才能の限界を感じたからでもなかった。

3年ほど前から、大きな仕事だけど、自分では好きじゃない仕事を我慢して続けていたことだった。

嫌いであることを感じないようにしていた私の心身は、好きなことも感じられなくなっていたのだ。

ひとは、好きなことだけは感じて、嫌いなことは感じないなんて、器用なことはできないらしい。


原因は分かったけれど、感じなくなってしまった心身をどうすればいいのか?

そうして、その時でもまだ、楽しいと思えることは何か?と、自分に問うた結果の答えが、エプロンだった。



小さい時からエプロンが大好きで、中学生の時は、母の美容室で働いてくれているスタッフのエプロンを縫っていたな。布を選んで、みんなの名前をそれぞれの胸に刺繍して……。

母にも、スタッフにも、お店のお客さんにも喜んでもらえるのが本当に嬉しかった。

大好きなリバティの布で、かっこいい大人に着けてもらえるエプロンを作りたい!


そうしてエプロン商会は、始まった。

お洒落番長の玲子さんと一緒に、エプロン商会をスタートして、これまで10年間続けてこられてきたことに感謝。


私たちの「好き」を、これまで以上に追求していきたいとあらためて思う。


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