以前、『芸術新潮』に「日々の花」という連載をしていたとき、作家の大宮エリーさんにインタビューさせてもらう機会がありました。
その時のエピソードで、普段は元気な友だちが、最近なんだか元気がないなと思って、特に何かの記念日でもなかったけれど、彼女にひまわりの花束をプレゼントしたそうです。
すると彼女はそれを一目見るなり「どうしてわかったの?」と号泣。そんなことがあった、とお話ししてくださいました。
このとき、エリーさんがプレゼントしたものが、彼女の大好物のお饅頭だったら?
もちろん、喜んでくれたとは思うけれど、号泣まではしなかったのではないでしょうか。
切り花には、そんな不思議な力があります。一瞬にして、人の心の奥深くまで届く不思議な力です。